支部報紹介 2004年1・2月号 (Vol
209) より
奥山だより-3
大杉正樹
また新たな年が巡ってまいりました。12月中の冷え込みは比較的穏やかな日が多いのですが。年末年始となると寒気団がじわじわと日本を包み込みキューッと冷え込む朝がつらくなってきます。朝6
時からのお
つとめはちょうど日の出前で最も気温が下がる時間。ひたすら寒さに耐えています。ある意味“うまく”できてるなあ……と皮肉に思うこともしばしば。
これからの厳冬期、山の小鳥たちはブッシュ帯で寒さをしのぎます。ひ とつとして渋川ツヅジが群生しているブッシュ帯があります。昼間は日照がある場所なのでホオジロ類も潜んでいることと思います。何せ株同士が密生していえるうえに高さが人の背丈かそれ以上あり奥までは見えません。数年前、株の間引きを施したのですが何年かしたらあっさりと元に戻っていまた。土地が合わないと根付かないと言われる渋川ツツジがどっしりと根をおろしています。もちろん時期になればきれいな花を楽しむことが出来ます。
もうひとつは杉木立の中に広がる南天の群落です。起源は不明ですが古くから南天保護地になっており、ここ数十年は手つかずの状態。やや荒れた環境ですが高さは人の背丈を超え、太い株では根回り約14cm
にもなります。冬場の日照はほとんどなく底冷えのする厳しい環境ですが小鳥たちの姿はあります。カヤクグリ、ルリビタキなど時としてミソサザイに出会うこともあります。これらの鳥は周囲の色に溶け込んでいるのでブッシュに入られたらお手上げです。この南天の群落の奥深くには、ひょっとしたら珍種が潜んで?いるかもしれませんね。
ここ奥山は谷から里山まで環境変化に富んでいています。野鳥に限らず自然観察としても一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
渋川ツツジ
(5 月中旬撮影)
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