スズガモ

日本野鳥の会 遠 江 支 部  

静岡県


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ヤイロチョウの保護活動報告

日本野鳥の会 遠 江 支 部 

2004.8.14掲載

 当支部では本年も昨年に引き続き静岡県西部に於けるヤイロチョウの保護活動を実施しました。保護活動に協力して下った皆様、また現地への立ち入りを自粛して下さった会員の皆様にお礼申し上げます。

 今回の保護活動としましては当会支部報の5・6月号と本ホームページで保護の協力依頼をし、現地には森町役場の協力を得て立ち入り等を遠慮して頂く旨の立て看板を設置しました。

 現地の立会いについては、当会支部報幹事と一般会員の皆様のご協力によりまして5月15日(土)からは毎週土曜・日曜日、6月1日(火)からは連日について早朝に実施しました。

 その間、オオルリ、サンコウチョウ、クロツグミなどは連日出現し時にはサンショウクイやアカショウビンも見られました。でも立会い実施中にはヤイロチョウは確認されませんでした。遠方からのウォッチャーも土・日に少人数が訪れることがたまにあった程度です。そのため連日の立会いは6月20日(日)で打ち切り、その後6月26日(土)・27日(日)と実施したうえで全面中止としました。

 ヤイロチョウは今回の保護地域にこそ出現しませんでしたが、周辺の山々で無事に繁殖していることを願わずにはいられません。

御協力有難うございました。

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ヤイロチョウの保護に御協力を-終了


                   日本野鳥の会 遠 江 支 部  
2004.5.4  

 
 昨年の夏、静岡県西部における定例探鳥会の際、ヤイロチョウが確認されました。その後このヤイロチョウは、鳥を見たい人、写真を撮りたい人達によって餌付けされ、このことが全国に伝えられると、連日沢山の人々が押しかけ次のような問題点が浮上してきました。

 
※種の保存法で保護が義務づけられている絶滅危惧種に対する餌付けが、繁殖行動や生態系に与える悪影響への心配。

 
※地域住民への迷惑の問題。どういう人種の集まりなのかとか、深夜に車の音で目を覚ましてしまったなどの不安や苦情が寄せられ ました。

 
※一般のバードウォッチャーからは、餌付けに対する苦言や不快感が多数打上げられました。

  
これらの経過を踏まえ、当支部として真剣に対応を検討しましたが、結論として「現状は、野鳥及び人々に対する配慮という点で限度を越えている」と判断し、保護活動に乗り出しました。

突然のヤイロチョウ出現でもあり、手さぐりでの応急処置となってしまいましたが、それでも、無事ヒナの巣立ちを見ることができたのは、実に奇跡的と思える程でした。
昨年の反省から、今年は、静岡県、地元市町村、とりわけ、地元自治会や土地所有者などの御理解、賛同をいただきましたので、総合的にヤイロチョウの保護活動を展開しています。

 
◎ 法的根拠等について

ヤイロチョウは、環境省発行のレッド・リストの中で、絶滅危惧種IB 類にランクされています。全世界での個体数は数千羽、日本国内では100 〜150 羽と推定され、絶滅の危険性がきわめて高い種です。又、種の保存法では、オオタカ、クマタカ、タンチョウ、ヤンバルクイナ等の30 数種と共に、希少鳥類としての保護が義務づけられています。

法的根拠を引用するまでもなく「野の鳥は野に」という野鳥の会の原点に立ち帰る時、本件は、野鳥を楽しむ私達自身のモラルやマナーが問われている問題でもあります。

 
◎ 具体的に自粛をお願いする事項

 
● 餌場への進入

 林道上のミミズが餌となっています。人が多く通ると餌が採れなくなり、繁殖を放棄する心配があります。林道への進入はできるだけ控えて下さい。

 
●  人工的給餌

自然界での餌不足という考え方には無理があります。ミルワームについては、Ca 不足となり、クル病になったり、胃壁を食い破ってしまうなどの報告もあり、この様に食害が心配されている餌は避けるべきです。又、餌の種類は何であれ、給餌により採餌の場所が固定化するということは、天敵のタカ類を呼び寄せる危険性が高くなります。

 

●  巣に近づくこと

人間の臭いを残すことになり、ヘビなどを誘引し、ヒナが食べられてしまう危険性があります。又、親が巣を放棄することも心配されます。
 

●  テープなどによる声の再生

巣を放棄することが予想されます。
 

●  ブラインドの設置

餌場での障害物となります。又、この林道は、人通りが少ないとはいえ公道ですので、通行人の迷惑となります。

●  林道脇の空き地への駐車

一般の人達の通行や地元の方達の山仕事の障害となりますので控えて下さい。
 

●  夜間、車で集落を通過すること

地元住民への安眠妨害となりますので避けて下さい。

 

森の妖精がこの地に定着してくれる事を願い、今は自然のままのヤイロチョウをやさしく見守る時と考えます。


以上、野鳥愛好家の皆様には、節度ある行動をお願い致しますが、駐車スペースも少ないので、できるだけ現地への来訪も見合わせていただけたら幸いに存じます。
御協力のほどお願い致します。